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近現代の話

華族と貴族の違いは?現在は廃止?公家や貴族院議員との関係も解説!

華族と貴族ってどう違うの?

貴族は昔からいるお殿様やお公家さん。
彼らは明治以降は「華族」という身分になります。

 

日本は古い歴史のある国ですから、貴族や家族、公家といった「特権階級」の人たちが昔から存在し、現在も影響力を持っている人は少なくありません。

貴族と華族ってどう違うの?現在も何か特別扱いのようなことはあるの?という疑問をお持ちの方も多いかもしれません。

今回は、華族と貴族の違い、公家や貴族議員議院といったことにについて解説させていただきます。

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華族と貴族の違い

華族と貴族の違い

(家族と貴族の違いは?)

ごく簡単に言うと、昔から貴族といわれてきた人たちが、明治維新によって「華族」というグループに振り分けられたということになります。

昔のお殿様やお公家さんが、明治維新以降は「華族」と呼ばれるようになったということですね。

華族という制度が生まれた背景について具体的に見ていきましょう。

明治維新で階級がなくなったわけではない

華族は明治維新~太平洋戦争敗戦直後まで存在していた身分制度です(きちんと法律として決まっていた制度です)

「明治維新によってそれまでの武士や公家といった身分はなくなった」というイメージをお持ちの方もひょっとしたらおられるかもしれませんが、実は身分制度はその後も続いていたんです。

(江戸時代の士農工商から、明治時代の四民平等へ、といったように学校で習ったという方も多いのではないでしょうか)

華族は明治維新後、江戸時代の大名や公家だった人たちを中心に「新しい身分」として誕生しました。

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「貴族」は昔からずっと存在してきた人たちのこと

一方で「貴族」という人たちはずっと昔から存在してきました。

貴族は狭い意味では、日本では公家を意味することが多いですが、「特権階級」のことを広く意味することもありますね。

(「独身貴族」というように、なんとなくリッチな人たちのことを日本人はなんとなく「貴族」と呼ぶことが多いです)

明治維新で「華族制度」が必要になった理由

明治維新では建前上「すべての人が平等」というかたちになりましたから、何らかの形でこういう「特別な人たちを特別扱いするためのルール」が制度上必要になりました。

そのための制度が華族制度というわけですね。

それまでに特権階級として存在してきた貴族(大名や公家など)が華族に列されることになりますが、世の中に功績のあった政治家などが華族になるケースもたくさんあります。

華族は日本の中で制度して整備されていった近代日本の新しい上流階級ということができますね。

そして太平洋戦争で日本が敗れ、華族制度はなくなりました。

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大名や公家、功績者が華族に任命されることに

1869年に版籍奉還で大名の領地、領民が天皇に返還されるのと同時に。行政官布達として大名や公家は「華族」として新しい身分となり、公卿・諸侯といった従来の呼び名も廃止されます。

華族の中には明治維新に貢献のあった人物も含まれます。

江戸時代に領主として徴税権を持つなどの独自性をもっていた大名を、華族という身分とすることで、天皇を頂点とする近代日本の中央集権的な国家構造の中に組み込みました。

まだ、立ち上がったばかりの明治政府の権力を強化することと、多くの藩が財政的に困窮していたこともあり、名誉としての「華族」は受け入れられ「版籍奉還」をスムーズに進められるというメリットもあったのです。

公家の人たちは明治時代にどうなったの?

公家とは、朝廷につかえている上級役人の家、つまり今まで一般に貴族と呼ばれていた人たちであり、公家も大名と同じく、明治維新以降に華族となりました。

その数は137家となります。

明治維新以降に功績から公家となった家もありますが、全て華族となりました。

明治維新に貢献した人物である岩倉具視の三男家の岩倉具経家も公家となり華族となりました。

貴族って実際はどんな人たちなの?

貴族とは時代や国によってその定義が非常に広範囲になりますが、日本においては狭い意味では朝廷につかえる上級役人であり、広い意味では国から何らかの特権を与えられた社会層の出身者を指します。

ですので、華族は貴族でもあります。

華族は明治政府による天皇を頂点とする中央政権的政治制度の枠組みの中で、今までの社会的特権階級であった「大名」、「公家」をそのシステムの中に取り込むためにできた新しい「貴族」ということができるのです。

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爵位とか貴族院議員ってなに?

侯爵とか男爵とか言うけど、あれって何なの?

華族の中でのランク付けのことです。
「公爵が」一番えらくて「男爵」が一番下。

 

上で華族とは「明治維新でできた新しい身分」であることを解説させていただきました。

ただ、「華族」とひとくくりでいってもいろんな人(殿様や公家~もともとは下級武士だけど功績があって家族になった人まで)がいますから、「華族の中でのランク付け」も行われることになります。

そのために考えられたランク付けが「爵位」というものです。

また、こうした特権階級出身者を政治に現実の政治に参加させるために作られた制度が「貴族議員議員」というものです。

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爵位(公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵)とは

爵位とは華族のランク付け、序列です。

「公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵」の順番にエライ、ということになります(公爵が一番偉い)

明治新政府には昔の殿様~下級武士までいろんな人たちが参加していますから、全員を平等に扱っていたのでは何かといごこちが悪かったのでしょう。

1884年に華族令ができた時にこういった華族内の格付けの呼び名が制定されました。

公家から家族になった人たちは、元々の朝廷内の家格が考慮されました。

大名から華族になった家は維新に功績のあった薩摩藩の島津家の2人、長州藩の毛利家の4人、江戸幕府の徳川家が最高位の侯爵でした。

それを除く大名は単純に石高、つまり領地の大きさによって、序列を決めていきました。

加賀100万石と呼ばれる前田家が侯爵です。

明治も時代が進むと、国家に貢献のあったかどうかが重視されるようになます。

初代内閣総理大臣となった伊藤博文や、大日本帝国陸軍の生みの親といってもいい山形有朋などは爵位の最上位である侯爵になりました(彼らは元々下級藩士です)

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華族と貴族院議員とは

貴族員議院とは、明治時代から日本が太平洋戦争に敗れるまで存在した帝国議会における「上院」のことです。

現在の日本では「上院」は参議院となっていますが、太平洋戦争に敗れる前までは「貴族院」であったのです。

帝国議会の貴族院議員は、華族でなければなれないということはなく、学識のある者であれば平民がなることもできましたし、多額納税者だったりすることもありました。

全員が華族であったわけではないのです。

華族の現在について

現在も華族は特権階級なの?

国の制度としては別に特別扱いはされていないけど、華族出身者が政治家になるケースはけっこう多い。

 

太平洋戦争に敗戦した後は、アメリカ(GHQ)が日本の身分制度を大幅に改革し、華族という身分制度はなくなりました。

ただし、現在の社会でも「元華族」の人たちが政治家になったり、有名人や学者になったりということはよくあります。

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太平洋戦争敗戦で多くの「没落華族」が発生

太平洋戦争敗戦後には多くの没落華族が生まれました。

そのきっかけとなったのが「財産税法」という法律です。

1947年にGHQの指令で、多くの財産を保有している華族はその財産をほとんど没収されるような形で奪われたのです。

財政法の保有する財産に対する最高税率は90%に及ぶものでした。

これにより没落華族と呼ばれる存在が生まれ、日々の生活にすら困窮する元華族が生まれました。

生活していくためには働かないといけませんから、終戦後には元華族の人たちが政治家や学者といった形で社会進出していくきっかけともなったのです。

華族の人たちの現在

華族は制度としてはすでになくなっていますから、国から与えられる年金や役職といったようなものはありません。

しかし、日本人というのは昔から「貴種(高貴な血を引いている人)」というものが大好きです。

華族制度がなくなった現在でも、「あの人の家系はもともと大名だった」「あの人は公家出身だから」といったような話題は好まれる傾向がありますよね。

これが「優秀な人に重要な地位についてもらう」というポジティブな方向に働く場合は良いのですが、ネガティブな身分差別のような形で現れることもあります。

例えば、現在の天皇の美智子妃様は、平民出身ということで、結婚当初はかなり苦労されたといううわさがあったりしますね。

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麻生太郎・安倍晋三・細川護熙などなど

その他にも侯爵大久保利通の子孫の麻生太郎氏や、子爵大島義昌の子孫の安倍晋三氏など、元華族出身の政治家には枚挙にいとまがありません。

もっと古い身分でいうと、一時期総理大臣をしていた細川護熙氏なんかは九州小倉の大大名、細川氏の生まれですから、彼がかつがれた背景には「この人は高貴な家の出だ」という意識があったのでしょう。

旧華族出身者には学者になる人も珍しくありません。

例えば、徳川家康の子孫である「徳川家」も明治時代~太平洋戦争終結直前派までは華族でしたが、先代当主の徳川家広氏などは、有名な政治学者になりました。

このように、現代の日本では貴族や家族といった制度はなくなっていますが、いろいろな形で昔の貴族や華族といった意識が残っているといえるでしょう。

まとめ

今回は、華族と貴族の違いについて解説させていただきました。

ごく簡単にまとめると「貴族は昔ながらのお殿様や公家といった人たちのことを広く意味する言葉」「華族は明治時代に正式にできた身分制度」ということになります。

現在は華族制度はありませんが、元華族出身の政治家や有名人はたくさんいますから、調べてみると面白いかもしれませんね。

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