大学生活も後半に入ると、就活の動きが慌ただしくなってきますね。
中には就職か文系大学院に進学するか悩んでいる人もいるでしょう。
この記事では、文系の大学院に進学するメリットやデメリットについて具体的に解説しますので、参考にしてみてください。
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文系大学院に進学すると就職が不利…は本当?
文系大学院に進学すると、就職が不利になるというウワサが気になっている方も多いでしょう。
参考までに、文系大学院生の就職状況の調査データをみると、次のようになります。
※参照:文部科学省の調査
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確かに文系は、理系に比べると企業での専門知識を生かせる機会が少なく、採用には消極的とも言えるでしょう。
しかし、次で見るように、文系でも職種によっては専門知識を必要となるケースがありますから、文系大学院の卒業者が優遇される採用枠も確実に存在しています。
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文系大学院卒者が優遇される採用枠がある
就職まで見すえて大学院を目指すのであれば、大学院卒が優遇される採用枠として、どのようなものがあるのか?を具体的に知っておくことが必要です。
具体的には、文系大学院卒者が優遇される採用枠として、次のようなものがあります。
以下で順番に見ていきましょう。
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①公務員国家1種の大学院卒採用枠
公務員国家1種試験の院卒者試験(総合職試験)の採用枠は次のようになっています。
参考:人事院ホームページ「平成30年度総合職試験 採用予定数」
国家1種は学部卒での枠では超狭き門ですが、専門性が問われる大学院卒の枠では採用される可能性がぐっと高くなることが知られていますね。
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②経営コンサルファームなどのMBA枠
主に外資系企業の経営コンサルファームなどでは、いわゆるMBA(経営学の修士)を持っている人のみを採用している枠があります。
「欧米の外資系企業は実力主義」というイメージがありますが、実際には学歴によって採用の枠が全く違います。
簡単にいうと、経営に直結するマネジメントレベルの採用枠ではMBAを持っている人だけが就職試験に挑戦できるという仕組みになっていることが多いんです。
なので、欧米の場合は大学を出た後にいったん就職して、MBAにいくための学費を貯めて大学院に行き、さらにそのあとにMBA卒者の枠で就職にチャレンジするというのが一つのキャリアパスになっていますね。
なお、文系大学院(MBA)に進学し、この枠での就職を狙う場合には外資系企業がメインの就職先になりますから、英語を最低限、日常会話レベルで身に着けておくことが必須になります。
大学院の場合、研究テーマによっては授業がすべて英語で行われたり、レポートや論文の提出を英語で行うことが求められるケースもあったりしますから、学部にいる間に英語はある程度身に着けておかなくてはいけません。
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文系大学院に進学するメリット
文系大学院に進学することで、具体的にどのようなメリットがあるのかを知っておきましょう。
「なんとなくまだ就活したくないし、社会人になるのが嫌だから…」では、大学院での勉強もふらふらしてしまいがちです。
上で見た卒業後の具体的な採用枠を知っておくということと合わせて、次のような大学院進学のメリットを知っておくと良いです。
文系大学院に進学するメリット
- ①好きな研究に没頭できる
- ②大学院卒で試験免除になる専門職がある
こちらも順番に見ていきましょう。
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①好きな研究に没頭できる
大学院に進む人を大きく分けると、「自分の研究分野を極めてみたい」という人と、「学部卒で就活するのを避けたい」という2通りの人がいるでしょう。
前者の「自分の研究分野を極めてみたい」というタイプの人は、文系大学院への進学が有意義なものになる可能性が高いです。
本来、大学院は研究者の養成所
本来、大学院というのは研究者を養成する機関であって、まさに研究者を目指したい人にとっては最高の環境といえます。
大学院では、在学の2年間を専門分野の勉強に費やすことができます(修士の場合)
自分の好きな分野に集中して勉強する時間は、社会に出てからはそう持てるものではありません。
2年間で学んだ知識や教養は、その後の人生でも貴重な財産になります。
また、専門職は教授の人脈を通して研究室に求人情報がくることもあり、得意の専門分野で働けるチャンスがめぐってくることもありますね。
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②大学院卒で試験免除になる専門職がある
また、大学院を卒業することで、資格試験の一部免除を受けられる専門職があります(試験免除を受ける方法として、文系大学院に「専門職大学院」というコースが用意されているケースが多いです)
具体的には、税理士試験の免除や、司法試験に通りやすくなる(法科大学院)という具体的なメリットが受けられるコースが存在しています。
これらの専門職はキャリアコースとして高年収になる可能性も高く、魅力的な進路といえるでしょう。
仕事をしながら試験合格を目指すのとどちら良い?
もちろん、これらの専門職は大学院に行かなくても、仕事をしながら試験を受けて合格するという方法もあります。
実際、税理士試験などは科目合格制度(簡単にいうと1年に1科目合格で最終的に5科目合格すればOKという仕組みです)を採用していますから、仕事をしながら試験合格を目指す人がとても多いです。
一方で、仕事と勉強の両立というのは非常に大変ですから、勉強を始めて5年~6年ぐらいたってから「やっぱり大学院に進学して試験免除を受けておけばよかった…」と後悔してしまうケースも少なくないですね。
税理士や弁護士といった文系の高度専門職を目指す方は、大学院を卒業することによる試験免除を活用すると良いでしょう。
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文系大学院に進学するデメリット
文系の大学院に進学することには、上で見たようなメリットだけでなく、デメリットもあります。
進学をしてしまった後で後悔しないために、以下のような内容を理解しておきましょう。
文系大学院に進学するデメリット
- ①学部卒枠での就職が難しくなる
- ②修士課程では学ぶ時間が意外に短い
- ③お金がかかる
こちらも順番にくわしく説明します。
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①学部卒枠での就職が難しくなる
大学院卒者は、学部卒枠(一般的な意味でいう新卒就活のことですね)で応募したときには不利な扱いを受ける可能性があります。
他の新卒者と比べて年齢が高いということが、採用者側から見るとネックになってしまうのです。
ただし、大学院出身者は2年の研究生活を経て、より深い専門知識をアピールすることができますから、そうした面で学部卒者との違いを評価してもらえる可能性はあるでしょう。
自分の専門知識を職場で活かしたいという熱意があれば、決して就職に不利ということはありません。
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②修士課程では学ぶ時間が意外に短い
大学院の修士課程は2年間で、思っているよりもあっという間に過ぎてしまいます。
後半では修士論文を書くことに追われてしまうので、じっくり専門分野を研究できる時間は意外と少ないでしょう。
本格的に研究職を目指す方や、自分の研究分野を深く極めたい方は、博士課程への進学も検討する必要があるでしょう。
「とりあえず修士に入ってみて、時間が足りなかったら博士も…」という考え方だと、どうしても後手後手になってしまいがちです。
最初から博士課程までの進学を決めたうえで自分の研究テーマを決められる人と、そうでない人ではどうしても研究内容に差が出てしまいます。
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③お金がかかる
当然のことながら、大学院に進むと授業料をはじめとする出費がかさみます。
国立と私立の入学金・授業料は以下の表の通りです。
私立の授業料は大学によって差があり、同じ大学でも分野によって異なります。
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学費にプラスして、毎月生活費がかかりますから、家族の支援を受けることや奨学金を利用することも検討しなくてはなりません。
なお、学部卒で就職していれば稼ぐことができたはずのお金も、進学すると稼ぐことができないことも知っておく必要があります。
例えば、大学院に2年間通う場合には、学部卒で年収400万円の仕事に就職した場合に得られるはずの400万円×2年間=800万円は稼げないことになります。
本来稼げるはずの800万円を蹴ってでも大学院で2年間勉強するメリットがあるか?は神学前によく検討しておかなくてはなりませんね。
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大学院進学に迷っている方におすすめの方法
ここまで文系の大学院に進学するメリットやデメリットについてみてきましたが、進学すべきか迷っているという方は、次のようなことを試してみると良いです。
大学院進学に迷っている方におすすめの方法
- ①大学院に進学した先輩の話を聞く
- ②大学院の授業を見学する
- ③就活してみて自分の大学院に進学したい気持ちを確かめる
順番に見ていきましょう。
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①大学院に進学した先輩の話を聞く
迷ったときには、やはり同じ大学で進学した先輩に話を聞いてみるのがいいです。
先輩と自分は同じ状況ではありませんが、体験談を聞くことでよりリアルに大学院での生活を想像することができ、モチベーションの維持にもつながるでしょう。
②大学院の授業を見学する
大学院の授業や研究室を見学することも、大いに参考になります。
自分のやりたいことがしっかり勉強できる環境なのか、研究室の雰囲気は自分に合うのかを確かめることで、進学への意欲が湧くかもしれません。
また、文系大学院はどの指導教官の下で勉強するかによって環境がかなり違います。
自分が研究したいと考えているテーマについて研究している教授がいる大学院を探しておく意味でも、授業見学は参考になりますよ。
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③就活してみて自分の大学院に進学したい気持ちを確かめる
あなたが今、就職すべきか進学すべきかで迷っているのは、就職の可能性も捨てきれていないということだと思います。
そんな時は、学部卒枠での就活を実際にしてみることもおすすめです。
実際にやってみるとこれまで自分が持っていた就活のネガティブなイメージがなくなったというケースも多いんですよ。
就活をする以前には、なんとなく「できるだけ年収の高い大きな企業に入って、定年まで勤めて…」と考えていた人も、実際に企業の担当者の話を聞いてみて「仕事そのものがおもしろそう」と思えるようになるケースは少なくありません。
学部卒の枠では採用される可能性があっても、大学院卒になると採用される可能性がなくなってしまう企業も少なくない点にも注意が必要ですね(つまり、進学を選択すると採用枠そのものがなくなってしまう企業もある)
就活してみて、「やっぱり自分は進学を選びたい」という決意が強くなることも考えられます。
自分の進路を主体的に選ぶための判断材料を持つという意味でも、いったん学部卒枠で就活をしてみることはおすすめです。
※↓就活に出遅れてしまった…という方にはこちらがおすすめ。
まとめ
今回は、文系大学院に進学することのメリットやデメリットについて解説しました。
本文で紹介しましたが、大学院に進学することは、学部卒での就職という選択肢を捨てることを意味しますから、今後の人生を決める上でとても重要な選択となります。
進学について迷っている大学生は、本文で解説した内容をぜひ参考にしてみてくださいね。
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