この記事では、教育実習のお礼状の書き方について解説します。
↓教育実習のお礼状を出す相手は、以下の3者が考えられます。
教育実習のお礼状を出す相手
- ①校長先生
- ②担任の先生(指導教諭)
- ③生徒
以下では、それぞれの相手ごとに書き方と例文を紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
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①教育実習のお礼状の書き方:校長先生あて
↓教育実習のお礼状では、次のような内容を順番に書いてください。
校長先生あての教育実習お礼状
- ①まず「頭語」と「時候の挨拶」を書きます
- ②あなた自身の簡単な近況報告と、感謝の気持ちを書きます
- ③教育実習の感想や、学ぶことができた点について具体的に書きます
- ④今後の進路に向けての決意や意気込みを書きます
- ⑤結びの「時候の挨拶」を書きます
- ⑥「結語」を書きます
- ⑦最後に日付やあなたの名前を書きます
頭語というのは「拝啓」というような決まり文句、時候の挨拶は「季節感を表現する決まり文句」です。
まどろっこしい感じもしますが、フォーマルな手紙ではこれらは必ず書かないといけません。
(これらがないと「非常識」と思われてしまいます)
※手紙の「書き出し部分」の書き方や文例についてくわしくはこちらを参照
逆にいえば、これらは決まり文句ですから、自分で考えて書く必要はありません。
下の例文の内容をそのまま使ってもらってもOKです。
↓お礼状はパーツを埋めるように書いていけばまったく難しくはありませんので、下の例文を見ながら書いていってください。
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校長先生への教育実習お礼状の例文
校長先生への教育実習お礼状の例文
①頭語と時候の挨拶を書く
拝啓 梅雨入りのニュースが気になる季節になりました。
~小学校の先生方におかれましてはお元気にお過ごしでしょうか。
②あなた自身の簡単な近況報告と、感謝の気持ちを書く
私は大学生活もいよいよ大づめとなり、卒業論文の作成に塾講師のアルバイトにと、忙しい毎日を過ごしております。
〇〇校での教育実習では、校長先生をはじめ、指導教諭の〇〇先生、職員の方々、そして生徒のみなさんに大変お世話になりました。
多くのことを学ばせていただき、深く感謝いたしております。
③教育実習の感想や、学ぶことができた点について具体的に書く
この度の教育実習では、学校ではさまざまな職員の方々が連携して、生徒の指導に当たっていることを知ることができ、とても勉強になりました。
また、わかりやすい授業を行うために、先生方が時間をかけて教材研究を行っていることや、保護者の声に耳を傾け、気持ちに寄り添った対応を心がけていることを学びました。
このような体験を通して、教師という仕事がどれほど大変な仕事かということを身をもって体験することができたことは、私にとって一生の宝になると思います。
④今後の進路に向けての決意や意気込みを書く
この度の教育実習を通して、私の教員になるという決意がよりいっそう高まりました。
教育実習から大学に戻ってからは、教職課程の講義にいっそう励んでおります。
〇〇校の先生方のように、生徒に信頼され、慕われる教員を目指し、さらに見識を広めつつ試験勉強に取り組んでいきます。
私は絶対に教員になり、生徒に学ぶ楽しさや仲間の大切さを教えていきたいです。
今後ともご指導をいただけますよう、何卒お願い申し上げます。
※卒業後に教職に就かない場合
私は、卒業後の進路として~株式会社から営業職として内定をいただくことができました。
現在はコミュニケーション能力をみがくべくアルバイトに力を入れています。
就職先では教育実習で学んだことを活かせるよう、努力していく所存です。
⑤結びの時候の挨拶を書く
梅雨冷えに夏風邪などひかれませんよう、ご自愛くださいませ。
皆様のご健康と〇〇校の益々のご発展をお祈り申し上げます。
⑥結語を書く
敬具
⑦日付やあなたの名前を書く
平成〇〇年〇月〇日
〇〇校 校長
〇〇 〇〇先生
東西大学教育実習生 山田太郎
↓以下では、上の例文の番号それぞれの部分について、具体的にどのような内容を書けばよいのか解説しますので参考にしてみてください。
①頭語と時候の挨拶を書く
頭語は「拝啓」という文章です。
時候の挨拶というのは、「今日はいい天気ですね」というように、話のきっかけをつかむための書き出しのことです(季節感を感じさせる内容にするのが一般的です)
手紙を書くときには、頭語や時候の挨拶があるかないかでかなり印象が違います。
教育実習お礼状のようなフォーマルな手紙では必ず入れるようにしましょう。
上で紹介した例文を参考に、「拝啓 例年になく暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。」といったような文章で書き出してください。
時候の挨拶が難しく感じる場合には「時下ますますご健勝のこととお喜び申し上げます」という定型文でもかまいません。
(これなら一年中使えます)
②あなた自身の簡単な近況報告と、感謝の気持ちを書く
この部分では、大学生活も終盤にさしかかりどのような気持ちで日々過ごしているのか、
今後の進路についてどのように考えているのか、といったことを書きます。
また、教育実習中にお世話になったことについて「ありがとうございました。お世話になりました」という気持ちが伝わる文章を書きましょう。
③教育実習の感想や、学ぶことができた点について具体的に書く
教育実習では「どういうときに、どういうことを学ぶことができたのか」をできるだけ具体的に感想として伝えましょう。
先生方も、教育実習であなたがどのような印象を持ったのかについて興味を持っています。
特に、校長先生は来年以降の教育実習生受け入れの準備などの参考にしています。
お礼状の中であなたが伝える感想は役に立つはずです。
④今後の進路に向けての決意や意気込みを書く
大学を卒業した後にはどのような進路を考えているのかについて書きましょう。
もし教職を志望するのであれば、ひょっとしたら就職先としてのご縁があるかもしれませんね。
教師という職業につくことについての熱意や、将来的にどのようなかたちで生徒たちとかかわっていこうと考えているのかについて具体的に書いておきましょう。
一方で、一般企業への就職を選択することを検討している場合には、正直にそのようにかけば問題ありません。
教育実習で学んだことを、社会人になってからどのように生かしていきたいと考えているのかを書きましょう。
⑤結びの時候の挨拶を書く
結びでも季節感を感じさせる「時候の挨拶」を入れます。
例文にあるように「梅雨冷えに夏風邪などひかれませんよう、ご自愛くださいませ。」といった感じです。
校長先生ご本人と、学校職員の方全員健康への気づかいを感じさせる文章が良いでしょう。
なお、
- 「校長室で育てていらっしゃった花はもう咲きましたでしょうか」
- 「校長先生のお孫さんも今年から小学校に入学ですね」
というように、具体的なエピソードなどをからめて書くことができるとより親近感を感じさせる文章になりますよ。
⑥結語を書く
「拝啓」で書き始めた場合には、最後は「敬具」という結語で終わります。
これは提携のルールですので忘れずに入れましょう。
(冒頭の「拝啓」という言葉と、最後の「敬具」という言葉は2つで1つのセットです)
⑦日付やあなたの名前を書く
教育実習のお礼状を書いているいま現在の日付と、あなたの名前と大学名を書きましょう。
「~大学教育実習生 ○○」といように書きます。
②教育実習お礼状の書き方:担任の先生(指導教諭)あて
次に、担任の先生宛の教育実習お礼状の書き方を解説します。
とはいえ、校長先生の時と書く内容は基本的に同じです。
ただし、直接的に指導をしていただく担任の先生あてには、より具体的な内容を書くとより印象が良いでしょう。
例えば、担任の先生とは授業指導案の作成などを通していろんなやりとりがあったと思います。
そのときに感じたことや、勉強になったことなどをより具体的に書いてみてください。
(手紙には具体的なエピソードがあればあるほど良いです)
卒業後に教員を目指す場合
担任の先生に指導いただいたことや、担任の先生の授業や生徒とのコミュニケーションの取り方を見て参考になったことなどを書きましょう。
その上で、卒業後に教員になることを目指す方は、
- 「先生のような教員をめざしたい」
- 「教員になって生徒のために頑張りたい」
というように決意を述べておきましょう。
卒業後は企業に就職する場合
卒業後は教員ではなく、企業への就職などを目指す方もいるでしょう。
そういった方は、仕事をしていくうえで教育実習の内容をどのように生かそうと考えているかを書くと良いですね。
以下で担任の先生(指導教諭)あての例文を紹介しますので、参考にしてみてください。
担任(指導教諭)の先生へのお礼状の例文
①時候の挨拶を書く
拝啓 (時候の挨拶)
②あなた自身の簡単な近況報告と、感謝の気持ちを書く
・私は、卒業後の進路として教員になるという決意が高まり、大学での講義に励んでおります。
※卒業後に教職に就かない場合のこの部分の例文
- 私は、卒業後の進路として~株式会社から営業職として内定をいただくことができました。コミュニケーション能力をみがくべく、毎日アルバイトに指導教授の手伝いにと走り回っております。
- 私は、就職活動が本格的に開始し、まわりが次々と内定をもらうのに焦る気持ちもありつつ、企業研究や業界研究に毎日頑張っております。
〇〇校での教育実習では、指導教諭の〇〇先生と学級の生徒のみなさんには大変お世話になりました。
多くのことを学ばせていただき、深く感謝いたしております。
③教育実習の感想や、学ぶことができた点について具体的に書く
〇〇先生が学級全体に指示や説明をするときの声掛けの工夫や、生徒の個性に合わせた指導方法をされているのを見て、とても勉強になりました。
また、自分の支援で生徒が問題を解くことができ、笑顔を見せてくれたことはとてもうれしく思いました。
④今後の進路に向けての決意や意気込みを書く
私は、大学卒業後には〇〇先生のように、生徒に信頼され、慕われる教員になりたいと考えております。
そのためにも残りの大学生活ではさらに見識を広め、勉強に励んでいきます。
絶対に教員になって、生徒に学ぶ楽しさ、仲間の大切さなどを教えていきたいです。
これからもご指導いただきますよう、お願い申し上げます。
⑤結びの時候の挨拶を書く
最後に、〇〇先生のご健康と益々のご活躍をお祈り申し上げます。
⑥結語を書く
敬具
⑦日付やあなたの名前を書く
平成〇〇年〇月〇日
〇〇〇〇先生
南海大学教育実習生 鈴木一郎
③教育実習お礼状の書き方:生徒に書く場合
生徒へもお礼状を出す場合には、あまり堅苦しく考える必要はありません。
親しみのある形式の文章で、教育実習を通して一緒に取り組んだことの思い出などを書くと良いでしょう。
ただし、相手は子供とはいえ、感謝の気持ちをしっかり伝えることは大切なことですから注意してください。
(生徒あての手紙は、教室で先生が読み上げることも多いです)
生徒へのお礼状の例文
〇年〇組のみなさん、お元気ですか。
私は大学に戻り、大学の卒業に向けて毎日頑張って講義を受けています。
教育実習のはじめはとても緊張していた私ですが、みなさんが声を掛けてくれたり、研究授業で進んで発言してくれたりして、とても心強かったです。
私にとって、教育実習で一番楽しかった思い出は~です。
~を担当してくれた〇〇さんの班、~で頑張ってくれた××くんの班など、短い期間でしたが、みなさんと一緒に取り組めた思い出は私の一生の宝物です。
みなさんのおかげで素晴らしい教育実習の期間を過ごすことができました。
本当にありがとうございました。
最後になりますが、みなさんの小学校生活ももうすぐ終わりになりますね。
残り期間を仲良く、元気よく楽しんでください。
平成〇〇年〇月〇日
~小学校〇年〇組のみなさん
〇〇大学教育実習生 山川花子
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教育実習のお礼状を出すときのマナー
教育実習のお礼状を出すときのマナーについて、簡単に説明します。
せっかくお礼状の内容が良くても、マナーに間違いがあると印象を悪くしてしまいます。
お礼状が完成したら、最後に必ずチェックしておいてくださいね。
①教育実習のお礼状を出す相手は誰?
これまでに述べたように、校長先生、担任(指導教諭)の先生には必ず出しましょう。
そして、お世話になった生徒たちにも出すととても喜ばれます。
②教育実習のお礼状はいつまでに出す?
教育実習が終わってから遅くとも10日後、できれば1週間後には出しましょう。
③便せんと封筒はどんなものを選ぶ?
便せんは縦書きで落ち着いた柄のものを選びましょう(下記参照)
封筒は縦書きで白色、長形4号サイズのものを使用します。
生徒に書く場合は、カジュアルな便せんや封筒を使って、横書きでも問題ないでしょう。
まとめ
この記事では、校長・担任(指導教諭)・生徒に分けて、教育実習のお礼状の書き方を説明しました。
日常生活で手紙を出す機会はとても少なくなってきていますね。
難しく感じる部分も多いと思いますが、お世話になった先生方に感謝の気持ちを伝えるのはとても大切なことです。
出す相手に合わせたマナーでお礼状で、あなたの気持ちをしっかりと届けてくださいね。
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